コロナがもたらした現代のゴールドラッシュ
2020年度の上期は、まさにコロナに振り回された半年でした。
その影響で、これまでネット市場にあまり関わってこなかった層の人々が、スマホを使いこなしてどんどん買い物をするようになり、
さらに「商品を売る側」としても参入し始めました。
こうした状況について、今回はもう少し踏み込んで考えていきたいと思います。
2021.02.01 追記
「ナナトピ 7KG」というサイトに、「個人・小規模事業のブランディングでいちばん大切なこと」という記事を寄稿させていただきました。
「コロナ騒ぎを契機として、今後副業や新たなビジネスを始める人が増えそう」という今回のブログの内容にも関連してきます。
ご興味のある方は、ぜひご一読ください。
まだまだ増えるネットショップ
![](https://9c91ecff8c.cbaul-cdnwnd.com/4dca41af7fdd9a62aaed385a3d42ef35/200000010-086ee086f0/BASE%E5%87%BA%E5%BA%97%E6%95%B0%E3%81%AE%E5%A2%97%E5%8A%A0%E6%8E%A8%E7%A7%BB.jpg?ph=9c91ecff8c)
これは、ネットショップ・プラットフォームサービスである「BASE」の出店数推移グラフです。YouTubeの広告等でご存じの方も多いでしょう。
【出典】https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000030814.html
沈滞する経済状況を横目に、2020年度も急激な伸びを見せています。コロナの影響で新たに出店する事業者が増え、その層に向けた営業支援活動を実施したことでさらに認知が高まりました。 簡単に出店可能で、決済手段も多く使えるネットショップ・プラットフォームの需要は、今後ますます高まっていくでしょう。
世帯の2件に1件はネット購入経験あり
![](https://9c91ecff8c.cbaul-cdnwnd.com/4dca41af7fdd9a62aaed385a3d42ef35/200000011-c41ecc41ee/.%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E6%B3%A8%E6%96%87%E3%81%AE%E4%B8%96%E5%B8%AF%E6%8E%A8%E7%A7%BBgif.gif?ph=9c91ecff8c)
ネットで物を買う側の人々もまた、増加しています。「ネットで買い物をした世帯の割合」グラフを見ると、基本的に右肩上がりで上昇しており、2020年に入ってさらに伸びている様子がうかがえます。8月にはついに「2件に1件の世帯がネットで買い物をした」水準に達しました。
【出典】2020年4月:博報堂シニアビジネスフォース、および趣味人倶楽部シニアコミュニティラボ
「新型コロナウイルスによる生活への影響に関するアンケート」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000018508.html
勢いづくネットコンサル業界
![](https://9c91ecff8c.cbaul-cdnwnd.com/4dca41af7fdd9a62aaed385a3d42ef35/200000014-8193381935/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC%E9%9B%86.jpg?ph=9c91ecff8c)
そして夏以降、状況は一層の進展を見せています。一言で言うとネットコンサル業者の勢いが増しているのです。
こちらの画像は、ネット関連コンサルテーション業者のバナー広告を集めたものです。その内容は多種多様。ざっと見ただけでも、
web制作指南、代行
LP制作指南、代行
ECサイト構築指南、代行
SEO、集客戦略
マーケティング
補助金・助成金指南
広告戦略指南
オンラインサロン運営コンサル
ビギナー向けテンプレート
プロ向けテンプレート
動画・画像戦略及び技術指南
SNS戦略指南(BtoB、BtoC、D2C)
文章制作アシストツール
リモートワーク用ツール
と実に様々です。
コロナ以降増加した「発信者側としてデビューした(&しようと思案中の)人々を相手に、ツールを提供したりノウハウを指南するビジネス」です。
ゴールドラッシュのアメリカで、金を掘りに集まった人々を相手に作業着を売って成功したという、有名なリーバイスの逸話を思い出しますね。自分では金鉱を掘らず、金を掘りたい人に道具を売る、というアレ。
面白いのは、ネットで事業を始めた個人、事業者向けの広告だけでなく、そうした人々にノウハウを教えるコンサル向けに、打合せ用テンプレートや集客術を提供する「プロ向けサービス」も散見される点です。言ってみれば「金脈堀りに道具を売ってる道具屋に、ビジネス支援ツールを売る」みたいなもの。コンサルのコンサル。
コロナ禍をきっかけに初心者の参入が相次げば、そこを狙ってサポートするビジネスが盛況になります。初心者をサポートする優秀な技術を持っていても、激化する競争に打ち勝って集客するにはまた別のノウハウが必要になりますし、市場の盛況ぶりに「オレもやってみようかな」と参入するアマチュア~セミプロのにわかコンサルも増えるでしょう。相手が初心者なら、ちょっと先行した知識や経験があれば指南業ができますからね。で、その層を狙ってさらにコンサルのコンサルが集まる、という現象。ややこしいですね。
今のところは初心者の参入熱が一旦落ち着いて、合戦の場はそのマーケットを取り合うコンサル同士の競争に移っている感じでしょうか。
ゴールドラッシュと同様、この需要はバブルなのかもしれませんが、リーバイスのようにその中から次世代のビジネスモデルが生まれてくるのかもしれません。