ネットショップをどう「育てる」か
■目次
- ネットショップを取り巻く状況が変わった
- ネットショップが30秒で「できる訳がない」その理由
- ネットショップはブログで育てる
・ネットショップを取り巻く状況が変わった
こんにちは。
前回、ネットショップを取り巻く状況が、コロナ騒動を機に変わるのではない
か、という記事を書きました。
簡単に言えばそれは、
物理的なリアルショップで、感染など直接接触リスクが増大したために
1)「ネットで何かを販売しよう」とする人々が増えている。
2)「ネットでモノやサービスを買ってみよう」という人々も増えてきた。
3)「無料で」「簡単に」ネットショップを開設、運営できるツールやサービス
の質と量が向上し、参入の敷居が低くなってきた。
という3つの要素が、「同じタイミングで揃った」ということなのです。
ポーカーだったらスリーカード。スロットマシンなら役ができますね。
...失礼。
そしてこのうちの3)について、これまでネットを避けてきた素人でもASP(ネッ
トショップを開くための諸サービスを提供する業者さん)を利用すれば、本当
にそれらの業者が言うように、30秒でネットショップが開業できるのか、と
いうクエスチョンを記事の最後に掲げました。
その答えはYESであり、同時にNOである。
どういうこと?
それを今回、解説していきます。
「アクセサリーを自分で作ってギャラリーやフリマ、貸店舗等で販売している50代の作家さん」が、初めてネットに出店する。
そんな状況を想像してみてください。
ネットショップが30秒で「できる訳がない」
その理由
これまで製作を続けてきた実績があるので技術がしっかりしており、美的
センスも十分ある。そういう人が、「画像や商品説明をテンプレートに当て
はめていくだけで開店できるネットショップサービス」(例えば、前回ご紹介
したSTORESやBASEです)を見つけて、まずは始めてみたとします。
30秒というのは誇張かもしれませんが、まあ30分もあれば、お店を無事に
開店することがおそらく可能です。
しかしそれは、必ずしもその作家さんが「思った通りのショップ」になって
いるとは限らないのです。(下に続きます)
お問い合わせ
なぜなら、
アクセサリーを作る職能と、ネットショップを構築する職能は違う
からです。
ネットショップを成立させる要素はいろいろありますが、少なくとも
・ショップ名
・看板
・複数の商品、品ぞろえ
というパーツを揃える必要があります。
そして、
・ショップの構造や商品カテゴリーを構成する
・お届けやお支払いの仕組みを明確にする
など、リアルショップで言えば店内の配置・陳列・レジなどに相当する設定を
行わなくてはなりません。
やってみればすぐにわかることですが、こうした作業にかかる工数は、意外と多いです。例えば、
- 数多く存在するネットショップの海に埋没せず、かつ消費者の心に響く店名を考える。
- 画像加工ソフトを使って看板やバナーの画像を作る。
- 商品を簡潔に、的確に説明できる商品名と解説文を書き、検索に引っかかりやすいよう
- 見る人にとってわかりやすいサイトの構造やカテゴリーになるよう、構成を組む。
- 商品の写真は実際に手に取ってご覧いただく代わりになるものなので、要件を押さえつつ価格やサイズなど必要情報を入れ込む。 いろいろな角度から撮ったり、細部を拡大したものを多数用意する。 写真の鮮明度や説明文字など、必要に応じて加工も行う。 場合によっては動画も編集してアップする。
しかも、これまでスマホでツイッターやメールくらいしかやったことのない人
が、ですよ。
ネットショップをはじめようというのに、まずはフォトショップのチュート
リアルからですか?
そりゃ、作家さんもクリエイターですから、やってみたいお気持ちはあると
思います。
けれども、そんなところで苦労するよりも、例えばサイト全体のイメージを
こんな風にしたい、とかだけ感覚的にざっくり監修して、細かい作業は誰かに
まかせ、貴重な時間を作品作りに当てたほうが良くはないですか?
それだけではありません。
ネットショップは「開店したらもう大丈夫。あとは手間暇かけなくても、
お客様が来るのを待っていればいいから楽チン」というものではないのです。
これはまったく逆で、オープンした時がスタート地点。
「ネットショップは育てるもの」です。
・ネットショップはブログで育てる
その昔、まだ「SEO対策」などという言葉すら一般に知られていなかった
ネットの黎明期。画面上に見えないようにメタタグを使ってキーワードを
書き込んだり、地色と同じ色で関連ワードをこっそり書き込むなどの、牧歌的
なSEO対策を行っていた時代がありました。
SEOというのは「検索エンジン最適化」のことで、要は「検索で自分のwebを
見つけてもらいやすくする」各種方策のことです。
その後、検索で上位に表示される権利をオークションで競る時代を経て、
外部先からの被リンク(リンクされること)数を稼ぐために、とにかくリンク元
のページを無数に増やす「ネット資源無駄使い」時代が到来しました。
さすがにこれは意味がない、とGoogleさんも判断したようで、現在では
「入力したキーワードを元に、検索者が求めている内容に最も合致すると
思われるサイトを表示する」という、検索エンジン本来の姿に戻ってきて
います。
では検索エンジンは何を基準に「このサイトはいかが?」と勧めてくるのか。
簡単に言えばそれは「内容のあるまともな、テキストベースのサイトから、
どれだけリンクが張られているか」です。
ということは・・・?
そう、「SEOを意識した内容・構造で、地道にしっかりブログを書いて自分で
リンクし、サイトに導く道をつくる」ということなんですね。
というところで、次回に続きます。